将棋上達日記(雁木・相振)

将棋24で三段の筆者の対局日誌です。雁木・相振飛車で戦っています。

将棋倶楽部24で三段に到達しました(昇段体験記第四回 森内将棋への傾倒)

今回は受け将棋(森内将棋)について書きたいと思います。

■私の棋風の遍歴
(1)24デビュー当時
24にR300程度で参戦した当時(10年以上前)は羽生の頭脳や藤井さんの指しこなす本を熟読したノーマル四間飛車で戦っていました。
四間飛車は3手目(4手目)に角道を止めるため受け身の戦型です。相手に攻めてもらって駒をさばいて反撃するという形は当時から勉強していたのかなと今振り返ってみると思います。

(2)矢倉へのフォーム変更と攻め将棋への転向
四間飛車でR1500まで行ったのですが、そこで成長が止まってしまいました。いろいろ考えた結果矢倉へ転向することにしました。矢倉は森内さんの矢倉の急所を熟読して46銀37桂戦法で戦いました。そしてこの戦法を得意としていたのが渡辺さんでした。”固めてドカン”の棋風にあこがれ渡辺さんの棋譜をたくさん並べました
この時は自分からどんどん仕掛ける攻め将棋でした。
矢倉で二段まで行きましたが、そこでまた頭打ちに。そこで雁木に転向して再び受け将棋になりました

■受け将棋と佐藤天将棋
二段でもがいている時に佐藤天彦名人の講座がはじまりました。将棋世界に逆転するための記事を、NHKのテキストに中盤の戦い方を解説した講座が出ました。佐藤さんのこの講座が私にはとても参考になりました。
受け将棋はだいたい相手が先に攻めてくるので、終盤に入るくらいでは自陣が薄く相手が堅い、駒は自分が得しているケースが多くなります。
佐藤さんの講座では、どこまで受けるのか、どこから反撃するのかの指針を解説していました。自陣が堅い、相手が薄い、持ち駒が豊富、種駒があるなら寄せに出る、受けに回るときは楽しみを持って受けるといったアドバイスがとても参考になりました。

■受け将棋で戦う覚悟を固める
対局を重ねるうちに、どうも自分は細い攻めをつなぐよりも相手の攻めを受け止めるほうが手がよく見えるということに気づきました。
ただ受け将棋で負ける時ってすごい悲しいんですね。相振飛車で相手が美濃と三間飛車、自分が矢倉の向飛車の戦いで、相手がどんどん攻めてきて美濃囲いが全く手つかずのまま負けると本当につまらない。
でも二段の方に自分が攻めると受けきられてしまうことが続き、受け将棋で戦う覚悟を決めました。

受け将棋で戦うと決めて参考になる棋譜を探していた時に出会ったのが森内さんの棋譜でした。森内さんの戦い方はとてもシンプルで
受ける→受ける→小さい駒で少し攻めて手を渡す→受ける→受ける
→寄せの足場を作る→受ける→受ける→王手か詰める→王手か詰めろ→勝ち

といった流れです。相手の攻撃を受け止めて攻めだしたら一気に相手玉を寄せきってしまうというギアチェンジがとてもはっきりしていて自分が目指す将棋がここにあるなと思い、森内将棋の棋譜並べをはじめました。

森内将棋を並べたことで、小さい駒で攻める、遊び駒をなくして最善形で相手の攻めを迎え撃つ、王様をとにかく安全にする、反撃しはじめたらギアチェンジして一気に攻め続けて寄せるといった事を勉強することができ、二段の方相手でも互角に戦えるようになりました。
森内将棋は羽生相手でも戦える戦法なんだ、ましてや二段相手なら勝てるんだと思って、受け将棋で戦う覚悟を固めました。

私がうまく指せた将棋を1局紹介します。
図は相振飛車の中盤戦です。
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<図からの指し手>▲8七香 △2六歩 ▲同歩 △6六角 ▲同銀 △4九角 ▲3九玉 △3八角成 ▲同玉 △2六香
相手の2筋の攻め駒が怖いですが87香で力をためました。
相手は2筋を攻めてきましたが、玉をうまく逃がしてここから反撃に出ました。
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<図からの指し手>▲2三歩 △同飛 ▲4一角 △2八香成 ▲4八玉 △2七飛成
▲7四歩 △同銀 ▲7五歩 △7六歩 ▲7四歩 △7七歩成▲同銀 △2九成香 ▲8四歩
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27龍と2筋を破られましたが、41角、87香、88飛、74歩の寄せの足場ができたところで84歩が非常に厳しい攻め。自玉は57に逃げられるので安全です。
4枚の金銀でとても固かった相手の矢倉陣を一気に崩壊させることができました。堅い囲いでも筋に入ると豆腐のように攻略できてしまうのかと自分でも驚きました。
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この将棋では力をためる手で手を渡す、相手に攻めてもらい駒を蓄える、
41角で寄せの足場を作る、玉をさばいて自玉を安全地帯に持っていく、といった受け将棋のエッセンスを取り入れて指すことができた会心の一局でした。