A級順位戦1回戦の感想
私は毎日新聞でA級順位戦の切り抜きをしています。
新聞なので実際の対局からだいぶ時間が経ってしまっていますが、1回戦毎に振り返っていきたいと思います。
A級順位戦一回戦の結果
カード | 戦型 |
---|---|
×森内ー渡辺○ | 矢倉 |
○広瀬ー三浦× | 横歩 |
×屋敷ー稲葉○ | 横歩 |
×佐藤ー行方○ | 矢倉 |
○深浦ー羽生× | 横歩 |
今期は久保さんが降級してしまったため全員居飛車党のリーグとなりました。
一回戦はいきなり羽生さんが負けるという波乱の展開に。実力者の渡辺さん、行方さんは勝ちました。
戦型では角換わりがなく横歩が3局と多かったです。
1回戦の気になった将棋レビュー
森内ー渡辺戦が最近後手で流行している左美濃急戦になりました。
勝率9割戦法と言われているようで、角道を止めて急戦矢倉を受ける側の私としては森内さんを応援していましたが、結果は渡辺さん勝利になりました。
図は中盤戦です。ずっと渡辺さんが攻めていて森内さんがと金を作って何とか攻め合いに持ち込もうとしている局面ですが、ここから渡辺さんの歩の手筋が炸裂しました。
<図からの指し手>
△7五歩 ▲6六金
△6七歩 ▲同金上
△8五歩 ▲同歩
△8六歩 ▲同銀
△8七歩 ▲9七角
△9五歩
図からすべて歩の攻めで先手陣を崩壊させてしまいました。と金を作らせて、飛車を取らせても後手は美濃囲いの鉄壁なので大丈夫という大局観がすごいですね。
森内さんの急戦対策(▲46銀〜▲55歩)は不発でした。
危機を察知できず負け
図は矢倉脇システムの中盤戦です。
後手が銀交換をした後、▲59角に銀取りを受けた局面です。
<対局中の考えていたこと>
・後手玉を攻める手のみ考えていた
・当初予定は▲26歩から銀を取れると思っていたが、△37歩成〜△36銀で逃げられてしまいうまくいかなそう
→35歩の拠点と持ち駒の銀を生かして崩したいのでまずは5筋の突き捨てを一本いれたい
<図からの指し手>
▲5五歩 △8六歩
▲同歩 △同角
▲同角 △同飛
▲8七歩
▲55歩に手抜きで8筋を攻められてしまいました。角交換になり、▲87歩と受けても十字飛車の筋が見えていて・・・
<図からの指し手>
△6六飛
▲同金 △3九角
▲6八飛 △5七銀
案の定飛車を切られて△39角と打たれてしまいました。
<図からの指し手>
▲3八飛 △6六銀成
▲3九飛 △6七銀
▲7二飛 △7八銀成
▲同玉 △7七歩
<図3で考えていたこと>
・▲67金と引くか、▲38飛の2択
△66銀成とされても3枚の攻めならなんとかなるのでは?
→▲38飛を選択
攻め合いになるかと思ったのですが・・・
図4となりあっさり寄せられてしまいました。
<反省>
・図1で▲26歩がうまくいかない誤算に気づくのが遅れたこと、△86歩からの攻めを見落としたのが1つめの失敗
・図3で▲67金引 △68銀成 ▲同金と自玉の固さを優先する指し方を選べなかった
→自玉の安全が第一の考えに沿えなかった、飛車を取られたくないという気持ちが勝ってしまった
自玉がを安全にしないと、最近のテーマである長い終盤戦にはなりません。
急所の局面で優先する価値観はやはり第一は自玉の安全ということを改めて体に染み込ませないといけないと思いました。
と、ここまで記事を書いた後にコンピュータに検討してもらったのですが、
△67銀の局面はなんと先手優勢とのこと
ここで▲23歩とたたくのが好手で、
(1)△同玉だと ▲67金 △同成銀 ▲56角 で王手銀取り
(2)△同金だと ▲7二飛△4二金打▲6七金△同成銀▲5六角 で先手よし
とのことでした。
▲56角のラインはなんとなく見えてはいたのですが・・・
とりあえず1本たたくというのが大事なんですね。勉強になりました。
ブログに将棋の局面図を簡単に投稿する
今回ブログを引っ越す理由になった、はてなブログに将棋の局面図を簡単に投稿する方法をご紹介します。
■用意するもの
・将棋ぶらうざQ
将棋ぶらうざQは棋譜の管理ソフトです。棋譜の管理以外に、分岐を残したり、将棋ソフトに検討させたり、観戦ができたり豊富な機能があります。
手順1 将棋24で対局が終わったら棋譜を将棋ブラウザに貼り付ける
手順2 ファイル→局面画像出力ボタンを押す
手順3 クリップボード出力ボタンを押す
手順4 はてなブログをGoogle Chromeで開き、記事作成ウインドウで貼り付ける(ctrl+v)
FC2ブログだとファイルを一旦PCのディスクに保存→アップロード→挿入という手間があったのですが、本手順だと非常に簡単になりました。
ちなみにctrl+vで貼り付けられるのはGoogle Chromeのみのようです。
長い終盤戦が指せた
終盤戦で辛抱できずに負けてしまうのが最近の課題だったのですが、本局はうまく指すことができました。
図は相振飛車の終盤戦です。先手が飛車を切って後手玉を寄せにきたところです。
<図からの指し手>△7一銀 ▲6一金 △7二銀 ▲6二銀 △8三王 ▲7一金 △1六歩 ▲同歩 △4六銀
一旦△71銀〜△72銀と受けて面倒を見てから、△46銀と反撃に行ったのがいい判断でした。
127手目では△27銀から攻める手を考えていたのですが、△27銀▲39玉△38銀成などと、攻めると銀を1枚渡してしまい、後手玉に詰み(▲62銀〜▲72銀)がありました。
攻めたいのをぐっとこらえて一旦受けに回ってから反撃する、長い終盤戦を指すという目標をクリアできた一局になりました。
終盤戦の方針を誤る
図は右玉の終盤戦です。(後手が私です)
中盤早々駒損してしまい苦しい局面を粘って終盤戦に持ち込みました。
■形勢判断
駒の損得: 桂と銀2枚の交換で後手の駒損
駒の働き: 先手の飛車があまり働いてない分若干後手の方がよいか
玉の固さ: 先手は裸玉ですが、広さがある、後手は金二枚で若干後手よしか
手番: 後手
駒損で苦しかったですがここではほぼ互角でしょうか
<図からの指し手> △4六桂 ▲4八玉 △7七歩 ▲6八金左 △8七飛成 ▲3五歩 △同香 ▲5二角成 △3六歩 ▲4一銀 以下先手の勝ち
実戦はここで△77歩〜△87飛成と攻めたのですが、▲52角成が後手玉の詰めろになり負けてしまいました。
■反省
▲52角成を許した△35香が自玉を顧みない悪手だった。
1筋が広くみえたのですが、先手が香車を持っているのでダメでした
戻って85手目では以下のように進めるべきでした
変化図 △58桂成 ▲同玉 △46角 ▲35歩 △57金 ▲69玉 △87飛成
「玉は下段に落とせ、上から押さえろ、守りの金を剥がせ」の格言にしたがっていくべきでした。
させなかった理由: 桂馬を渡すのが怖かった(▲44桂がある)