作戦勝ちから勝ちに持っていく
作戦勝ちから優勢・勝勢に持っていくのは将棋の難しいところのひとつです。本局ではそれがうまくいきました。
本譜の進行
図1は相振飛車の中盤戦です。(後手が私です。)
一手損高美濃戦法で相手の歩交換を避け駒組をした結果、図では作戦勝ちを意識しました。
・先手の飛車と歩が逆型
・後手は歩交換できていてさらに5筋で1歩得できそう
・後手は端攻めが狙いとしてある。
というのが理由です
<図1からの指し手>
△55同銀
▲同歩 △同角
▲7七角 △同角成
▲同桂 △4四角
▲6六角 △同角
▲同歩 △4四角
角銀がお互い手持ちになったので、私は角のラインの先着が大切と考え△44角と打ちました。逆に▲44角とされると銀の持ち駒があるので受けが難しいです。
<図2からの指し手>
▲4三角 △2四飛
▲7六角成 △5四歩
図3でじっと△54歩が本局の勝因になった一手です。この一手で先手は馬が敵陣に侵入することができず攻めがなくなりました。あとは後手はゆっくり端攻めをすればいいという状況になりました。
<図3からの指し手>
▲6七馬 △1五歩
▲同歩 △1六歩
▲5七馬 △2二飛
▲1六香 △2五銀
後手は急いで攻める必要はないので△25銀と打ちゆっくり駒得を狙いながら攻めました。
<図4からの指し手>
▲1七銀打 △1六銀
▲同銀 △1二香打
▲2六銀 △2五歩
▲1七銀引 △3五歩
▲9六飛 △3六歩
▲同歩 △1五香
図5以降50手以上かかりましたが、後手がひたすら攻めて快勝することができました。
反省
良かった点
・作戦勝ちから局面を支配する△44角、馬を封じ込める△54歩がさせた事。相手からの攻めがないことを見越してゆっくり着実に攻めることができた。自分側の良さを理解して指し手を進めたことでリードを確実に拡げることができた。
・序盤相手の棒銀の攻めを△84歩から銀冠に組んで受け止めることができた。