将棋上達日記(雁木・相振)

将棋24で三段の筆者の対局日誌です。雁木・相振飛車で戦っています。

紐をつけている駒に狙いをつける

24高段者の対局から。図は先手が飛車を走った所です。
ここから後手の攻め手が参考になりました。

<図からの指し手>
△6九角
▲6五歩 △6六歩
▲6八金右 △6七歩成
▲同金直 △同馬
▲同金


△69角が受けにくい手。先手は桂馬を外しましたが、すかさず駒の連結を外す△66歩が厳しかったです。私は△58角成からにまい替えで満足するのかと思いましたが、本譜のほうが断然いいですね。もっといい手がないかを探すのはとても大事です。▲67金以降の決め方も鮮やかでした。

<図からの指し手>
△7九銀
▲同玉 △8七角成
▲6八玉 △6九銀
▲5七玉 △5八金
▲6六玉 △7八銀
▲5七金 △4六飛


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△79銀の捨て駒から△87角成、最後は△46飛と質駒を取って決まりました。

■ポイント
・雁木の形は銀の頭が急所。△59馬と△66歩のコンビネーションで先手陣は崩壊してしまった。
・単なる2枚替えで満足せずもっといい手がないかを探す。

最後にワンチャンの局面を作り出す

24高段者の対局から。
図は先手が後手を寄せに行った局面です。
14歩が厳しく先手が手番を握ってそのまま勝つのかと思ったのですが、ここから後手の反撃が勉強になりました。

<図からの指し手>
△1七歩
▲1三歩成 △同王
▲1七香 △1五歩
▲2五金 △3四銀
▲3五馬 △同銀
▲3四桂 △2四金
▲1四歩 △同金
▲1五香


まず△17歩と垂らしました。これは観戦中は意味がよくわからなかったのですが、放っておくと次に△16桂と打ちますよということのようです。先手は桂馬を取って▲17香と王手しますがそこで再び中合いの△15歩。先手の猛攻が続いて取られた34の桂をもう一度打ち、寄せの手筋200に出てくる▲14歩〜15香を見て先手が勝つと思っていました。ところが・・・

<図からの指し手>
△1六桂
▲1八玉 △1五金
▲同金 △1七歩
▲同桂 △2六桂
▲同歩 △2九角
まで後手の勝ち


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△16桂〜△15金〜△26桂〜△29角がすごい手順でした。
先手陣は桂桂香角が入ると詰んでしまうのですね。(▲29玉に△27香で詰む)
△15歩と垂らして香をおびき寄せて最後に質駒を取って勝つ。
先手も勝つ手段があったのかもしれませんが、後手の素晴らしい逆転劇でした。
■ポイント
・何の持ち駒があって、どんな条件になれば詰むのか、を把握していた。
 持ち駒 桂桂香角、条件△16桂と打てること
・質駒を持ち駒として考える
・最後にワンチャンの局面を作り出すために自玉の守り駒を持ち駒に変える(△34銀〜△35銀、質駒として取れる状態にする(△15歩)

4月の24対局結果と勉強結果の振り返り

2018年の成績

1月 5勝7敗 R1635→1614
2月 5勝3敗 R1614→1647
3月 4勝2敗 R1647→1682 
4月 6勝1敗 R1682→1764
2018年成績 33戦 20勝 13敗 0.60

4月は大きく勝ち越すことができました。
雁木 3-0 相振 0-0 対抗型 0-1 時間切れ 3-0
負けた1局は慣れない対抗型の向飛車相手に、角ののぞきをうっかりして
中盤早々に勝負ありとなってしまったものでした。
勝った3局はいずれも雁木。
戦型はいずれもばらばらでした。
・△75歩から交換してくる形
・居角で右四間で攻めてくる形
・攻める雁木(▲65歩型)
 △75歩交換の形は昨年の将棋世界の雁木特集で増田四段の講座を勉強していたおかげで、勝つことができました。(△74銀とさせてから仕掛けるのがポイント)
 居角で右四間の形は袖飛車から▲35歩と仕掛ける形を研究していて勝ち。
 攻める雁木は雁木伝説の本の通りの攻め筋(▲35銀と捨てる形)で勝ち。

研究がばっちりはまっています。昨年7月に雁木党に転向しましたが、最近ようやくこれまでの勉強や過去の負けが生きてきました。ひとつの戦法を続けることはやはり大切ですね。
時間切れ勝ちが3つもついて一気にレートが上がって将棋に対するやる気も上々です。

4月の勉強結果

詰将棋(1P/問) 計画 600問 実績 696問 696P
必死問題(2P/問) 計画 48問 実績 6問 12P
棋譜並べ(6P/局) 計画 8局 実績 35局 210P
24観戦or反省の記事を書く(10P/記事) 計画 10記事 実績 4記事 40P
対局の反省(10P/問) 計画 15局 実績8局 80P
その他 長い詰将棋将棋世界付録など 計画100P 実績38P
合計 1080P

4月もギリギリ目標到達できませんでしたが、ほぼほぼ予定通り勉強できました。
3月に続いて必死問題があまりできなかったのが反省点です。必死問題を手軽に手に取れるようにしないといけません。

棋譜並べは藤井聡太さんの棋譜と矢倉名局集の棋譜を並べています。今月はたくさん並べることができました。その分24の観戦は少なめでした。パソコンのやりすぎがよくないかなと思って控えました。
観戦結果をブログ記事としてアウトプットするのは効果を感じていたので、アウトプットのトレーニングは継続したいと思っています。棋譜並べの感想をノートに書くのを10ポイントにしようかなと思います。
将棋の勉強をポイント制にして見える化する取り組みは4ヶ月続けることができました。
ポイントが積み上がっていくのが実感できる、計画変更がしやすい、PDCAが回っていくなどいい事が多かったです。

5月の勉強計画

詰将棋(1P/問) 計画 600問 600P
必死問題(2P/問) 計画 48問 96P
棋譜並べ(6P/局) 計画 16局 96P
24観戦or反省の記事を書く(10P/記事) 計画 5記事 50P
対局結果反省・棋譜並べ・NHK杯観戦の感想をノートに書く(10P/問) 計画 10局 100P
その他 長い詰将棋将棋世界付録など 計画100P 
合計 1050P

玉に向かってまっすぐに駒を進める

図は24高段者の対局から。角桂交換が行われて第二次戦いに向かっている局面です。駒の損得はなし。陣形のバランスが先手がよいのでここからどういう方針で進めていくか。

<図からの指し手>
▲4一角 △6五歩
▲同歩 △5六歩
▲同銀 △5二歩
▲4五歩 △5三銀
▲4四桂 △同銀右
▲同歩 △同銀


私の予想は▲41角〜▲74角成で馬を作るか、▲15歩〜13歩〜14歩〜26桂を狙うかかと思ったのですが外れました。
先手は▲41角と4筋の位を生かして4枚で守っている固そうな後手陣に襲いかかりました。駒が王様に向かって真っ直ぐに進撃していってますね。


<図からの指し手>
▲3二角成 △同王
▲2一銀 △2二王
▲3二金 △1三王
▲1五歩 △同歩
▲1二歩


▲32角成〜▲21銀で後手陣を一気に崩壊させてしまいました。
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最後の図がすごいです(笑)。まさに”玉は包むように寄せよ”のお手本のような図です。
78の金があたりになっていて先手も危ないのですが、▲17金〜▲26歩と決めるだけ決めて▲68金と手を戻す、そして33金の詰めろを間に合わせるという決め方が勉強になりました。

■ポイント
・駒は玉に向かって進めることを第一に考える。
 本譜は角桂飛と4筋の歩で攻めきれると先手が判断していた
・決めるだけ決めてから手を戻す
・玉は包むように寄せろ

遊び駒を使って戦力不足を補う

24高段者の対局から。
図はお互いの攻めが一段落したところで、駒の損得はなし、手番は後手、玉の硬さは先手だが後手は玉が広い、駒の効率は先手は銀が遊んでいて、後手は飛車がひどい駒です。
後手を持って見ていたのですが、ここからの三手にびっくりしました。

<図からの指し手>
△6五歩
▲4六角 △6六歩
▲9一角成 △7三飛


△65歩と指してはじめ意味がわかりませんでした。
続けて△66歩でようやく理解。
後手は戦力不足なので、歩を攻めに使おうとしたのですね。
そしてその後の△73飛にさらにびっくり。
香を取らせて馬筋に飛車を持っていく。思い浮かばない手です。
とにかく飛車を遊ばせないぞという意志のはたらいた一手でした。

<図からの指し手>
▲3四桂 △3三王
▲3六銀


先手も負けじと遊んでいた銀を使いに行きました。
王様を呼び込んで遊び駒に近づける手がうまいですね。
▲36銀は王様に近づきながら飛車の横利きを通す一石二鳥の価値の高い手です。
このあと先手が勝勢になったのですが、後手の玉が中段をうろついて逆転勝ちしました。
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<ポイント>
・戦力不足の時に相手陣に攻めかかってはいけない
・遊び駒を活用して戦力不足を補う
・王手をかけて相手玉を遊び駒の近くに呼び寄せると遊び駒が働いてくる

寄せ形のイメージを持つ


24高段者の対局から。(今回は後手側を見ます)
図は角桂と銀銀の交換です。駒の効率は先手が8筋の銀のダンゴが気になるところ。
手番は後手。後手良しでしょう。ここからの攻めが早かったです。
<図からの指し手>
△7四角
▲7五飛 △5六角
▲5七金 △6七角成
▲同金 △同馬
▲8一成銀 △5七桂
▲5九金


△74角から△56角の活用がうまい手でした。放置すると次に△46桂があるので
クロ57金は仕方ないですが、角をスパっと切って△57桂がもう詰めろ。▲59金と受けましたが。

<図からの指し手>
△7四金
▲8三角 △5一王
▲7四角成 △同歩
▲同飛 △4九角
▲4八玉 △2七角成
▲同銀 △同飛成
▲3九金 △4九桂成
まで後手の勝ち


△74金が▲73銀成を消しながら飛車を攻める決め手になりました。
先手は飛車をなりこまないと寄せがないので角を渡して切り抜けようとしましたが、△49角〜△27角成と最後の桂馬の成捨てがかっこいい寄せになりました。
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■ポイント
・寄せ形のイメージを持つ(今回は馬を作って桂馬を打つと詰めろをイメージ)
・受けながら形を決める(本譜の△74金)

最強の守備駒を攻める

24高段者の対局から。図は後手が桂馬の両取りをかけてきた局面です。
後手玉は龍がいて硬そうだし、守りの金を取られてはいけないので一旦はうけるのかと思ったのですがそうではありませんでした。

<図からの指し手>
▲2三歩成 △同王
▲3五歩 △同龍
▲2七桂 △3六龍
▲3五金


先手は両取りを放置して攻めました。23歩成に△同龍は▲35角がきついので同玉。
そして▲35歩〜27桂〜35金が流れるような攻めでした。龍が消えると37の銀が取られてしまうので厳しいです。35に金が残って一気に寄りが見えてきました。
先手は最強の守備駒である龍に狙いをつけていたんですね。

<図からの指し手>
          △7八桂成
▲同玉 △7七角成
▲同桂 △2七龍
▲4五角 △3二王
▲4四桂 △4一王
▲3二銀
まで先手の勝ち


後手は狙われている角を切って△66桂を楽しみにしましたが、▲45角が王手龍取+受けにも効いている絶好の攻防手となり大勢決しました。
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■ポイント
・最強の守備駒を攻める (この場合は龍)
・紐をつけている駒に狙いをつける (この場合は龍)
・受け一方の手は次善策